ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:37「白いマフラーV3」
でかい山だなー。これ登るの?マジ?
神の山を見上げて思わずぼやく。なんかすげー大変そうなんでいきなり帰りたくなった。
「見てっ!あんな所にオオカミがいるわよ!」
マリベルの声に視線を移すと、山の中腹に一匹のオオカミの姿が見える。伝説の白いヤツかと思ったけど、よく見たら茶色い普通のオオカミだった。近付こうとするとそのオオカミはすばやくジャンプして、そこから姿を消してしまった。山の根元にぽっかりと口をあけている大穴へ入り込んだのだ。
おそらくあれが魔封じの洞窟に繋がっているんだろう。俺達はオオカミの後を追うように、そこへ入り込んだ。

山の内部は思ったより入り組んでいた。そのうえモンスターもたくさん出てきやがる。そいつらの攻撃が結構強力なんで、進むのに骨が折れた。そういえば前回のダイアラックでは一度も戦闘がなかったから、戦いの腕は全然上がってないんだった。このまま進んじゃって大丈夫かな。まあいいや。
エンゴウの炎の山の時はマグマだらけでどうしようかと思ったが、今回はその代わり岩盤から染み出ている水が所々に溜まっている。敵は強いけど涼しい分こっちの方がまだマシな方か、とあの時の熱さを思い出しながら進んでいった。

青い石版2枚を手に入れ、モンスター共との戦闘でそこそこレベルも上がった俺達はやがて洞窟を抜ける。空気が薄い。どうやら頂上付近に出たようだ。
さらに山を登っていくと、あったあった、あれが岩戸ってやつか。あの中が魔封じの洞窟なんだな。
「おっ…!?扉が開いている。中に入ってみようぜ!」
2本の大きな石柱に支えられている入り口。そこを塞いでいたらしい岩戸は、大きく開け放たれている。
ここから魔物が出てきて、あの街を大変な事にしたって訳か。
一歩入りこむと、嫌な匂いが鼻をついた。広い場所だが、毒の水が辺り一面に広がっている。踏まないように気をつけながら奥にある階段を上がった。

「オオカミが倒れているだよ!」
階段を上がってまず最初に目に映ったのは、傷ついて倒れているさっきのオオカミだった。そして、
「うわっ、見た事もねえようなでっけえ棺があるだよ!一体何だべか!」
目の前のものにいちいち驚くきこりが律儀に状況説明してくれた。
ついで言うとそのデカい棺は蓋が開いていて、中身はどうやら空のようだ。
しかし、肝心の魔物の姿が見当たらないようだが。このオオカミは魔物にやられたのか?だとしたら…
どしっ
「あっ!」
俺の思考を遮って階段から突如現れたのは、さっき町で助けたあの子供だった。そいつは俺達を突き飛ばして、まっすぐオオカミの元へ駆け寄る。
「ガウ…ガウ…ガオ…ガオン……」
子供がオオカミをそっと抱き上げると、オオカミは弱々しく鳴いた。
それを聞き取ったきこりの表情が変わる。
「アナゴン、気をつけるだ!やっぱり近くに魔物がいるようだよ!」
何っ!そのオオカミがそう言ったのか!?
俺達は注意深く辺りを見回す。特に何も見当たらないが…。
その時、響き渡る謎の声!
「ぐははは!また新たな客のお出ましか」
「あわわ!何だこの薄気味悪い声は!」
おっさん、状況説明はもういいって!真打ち登場ってヤツだろ?!
そして、そいつは俺達の前に姿を現した。
なんか、めちゃくちゃ太ったピエロ風レスラーが羽生やしたみたいな見てくれだ。もっと的確に表現すれば「変な奴が出て来ました」。
こいつが町を襲った魔物なのか?ずいぶんおめでたい恰好してるけど。
なんて疑問の目で見られている事も知らず、魔物は俺達をギロリと睨み付けた。
「ここの様子を見に来るとは、貴様らもあの白いチビの仲間に違いなかろう、くそったれ!オレ様をこんな所に封印したにっくき白いオオカミ達め!こんなうす穴ぐらに長い間封じ込めおって、恨みは必ず晴らしてやるわ!
 奴らが守ろうとしたあの町は既にこの俺様が変わり果てた姿にしてくれた。だが全ての白いオオカミを倒さねば、腹の虫がおさまらん!あのチビが最後の一匹のはず。つまらん隠しだてするとタダではすまさんぞ!」

ゴムボールみたいな身体をぶよぶよ震わせて、そいつは一人で恨み言を言っている。
あーはいはい。つまりテメエが元凶って訳だろ。長げえんだよ話がよ。
ちなみに白いチビなんて知りません。以上。
「クゥ〜ン、クゥ〜ン。ウォオ〜ン」
そこで、再びオオカミが鳴いた。きこりさん、通訳お願いします。
「驚いただよアナゴン!つい先日、白いオオカミのチビがこの魔物と戦ったんだと!だどもそのチビはひどいケガをしちまったって…!」
「ええいっやかましい!何をゴチャゴチャ騒いでおる!この間は取り逃がしたが、今度こそぶち殺してくれるわ!」
「ガウッ!」
刹那。なんとオオカミの傍らにいたあの子供が吠え、魔物にとびかかった。馬鹿、無茶すんなっ!!
俺達は武器をとり、魔物との戦闘を開始した。
もどる

HOMEホーム