ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:35「メ○プルタウンにおいでよ」
びょいーーーん。
緑の石版を完成させ、やってきました見知らぬ土地。また何か暗いけどもう慣れたわ。
俺達が現れたのは草原のまん中のようだ。見渡すと、すぐ北の方に町が見えた。例のごとくきっと何らかの問題を抱えているに違い無い。
まあ、ちゃっちゃと片付けるとしますか。


情報収集のため町の中を歩き回った。この重苦しい雰囲気、何かが起こってる事は確実だ。
しかし奇妙だ。やたらと動物の数が多い。それもイヌとかネコだけでなく、牛や馬や豚といった普通柵の中にいるようなのが、そのへんをウロウロしているのだ。それだけならまだしも民家の中に平然といるってのは何なんだ?
宿屋のカウンターには牛がいて受け付けしてるし(なんとタダで泊めてくれた。サンキュー牛)、武器屋にはニワトリがいて武器を売っている(ニワトリから物を買う日が来ようとは)。町中があんまり妙なんで、つい趣味の家捜しを忘れてしまっていた。
「おいおいアナゴン!動物は放っといていいから、町の人間から話を聞こうぜ!」
わーってるよ!だって目につくのが動物ばっかなんだもんなあ。

動物と比べて人間の数が圧倒的に少ないってのも変だ。しかもそいつらに話し掛けても、何の反応も帰って来ない。こちらが言っている事を理解していないような。それか、話す気がないような感じだ。
「ここの人達ってまるで魂の抜け殻みたいね」
とはマリベルの言葉だが、まさにそんな様子なんだ。
しっかし困ったな。動物の言葉は解らないし、町の人は全員失語症だし。これじゃ何が何だか解りゃしないぜ。まあ唯一理解出来た事は、この異常事態が町の抱える問題なんだって事だ。でもそれだけじゃ何をどうすりゃいいのか。

何も有益な情報を得られないまま、俺達は最後にこの町で一番裕福そうな家を訪ねた。おそらく町長とかの家なんだろう。そこの庭にある納屋に入ってみたら、牛が一匹。そしてなんと一人の子供が繋がれているじゃないか。なんだ、児童虐待か?
「こんな子供を鎖に繋ぐとは、なんて酷い事をするんだ!早く外してやろうぜ!」
子供の首にはカギをかけられた首輪が食い込んでいる。外してやろうとしたが、カギのせいで俺達には外せそうもない。
「ウ……グッ……」
喋る事もままならず、唸り声しかあげられない子供。かなり苦しそうだ。どうしたもんかな…。
傍らの牛を見てみたが、何か言いたそうにするだけだ。
「きっとお前ならこの町に何が起きたのかみんな知っているんだろう。…うん?そういえば動物の言葉が解るって人がどこかにいたような……」
キーファのその言葉にハッとなる俺。
そういや居たなあ、俺達の地元にそんな奴。


というわけで俺達は、エスタード島へと戻って来た。動物と話せるという奴を連れて来るためにだ。
フィッシュベルとグランエスタードをつなぐ道をちょっと外れた森の中。そこにぽつんと佇む小屋に、ホビットのきこりが住んでいる。そいつが動物と話をする事が出来るのだ。
いつもは裏庭にいるそのきこりは、今日は小屋の中にいた。なんかネコと普通に談笑している。ハタ目に見ればただの危険人物だが、今回はどうやらこいつの世話にならなければいけないらしい。
訪ねて来た俺達を、きこりは快く迎えた。ガキの頃から何度か遊びに来ていたのですっかり顔なじみなのだ。
「おおっ、お前さん達か。そんな真面目な顔をしちまって、今日は一体何の用だね?」
いや実は。
「なんだって、動物だらけの町を見つけただって?わっはっは!何を言ってるだね。いくらオラがこんな森の奥に住んでるからって、からかっちゃいけないだよ。」
そんなにヒマじゃねーよ。
「この島の動物達からたいがいの事を聞いちゃいるが、そんな話は知らないだ」
動物の言う事は信じるんかい!
もう面倒になってきたんで、このまま拉致って無理矢理連れてってやろうかと思ったその時、
「ニャニャニャ」
と、さっきまできこりと話をしていたネコが鳴いた。
きこりはその声に耳を傾ける。
「あん?なんだって?この人達の言う事が気になるってか?」
「ニャンニャ フニャ フニャーゴ!」
「へっ?オラに、行って確かめて来いってか!」
「ニャン ニャニャ ニャニャーン!」
正直、帰りたくなった。
…でも、なんか話がうまい事運び出したので我慢する。
「そりゃ、オラが行かなきゃ動物の事は解らないだな。わかった、わかっただよ。アナゴンの話が本当ならばここはオラの出番ってわけだ。よしっ、そこまで案内するだよ!」
こうして、ネコの説得にようやっとその気になったきこりが俺達の仲間に加わった。どうでもいいけどこいつ、名前は無いのか。
……しかし、ネコに助けられる日が来ようとは…。
これでいいのだろうか、とちょっと気持ちが沈んできた。
「さあ、出かけるだよ。ウソかホントか動物の町へしゅっぱ〜つ!」
本当だっつってんだろーが!! つーか仕切んな。踏むぞじじい。
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