ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:27「渦巻くバンバの(イエー!)悪の闇」
儀式の舞台である火口に戻ってみると、そこの中心、穴のまん中に闇の炎が留まっていた。これ以上上昇する様子はない。
村人達は、儀式の最中に突然現れたこの闇の炎にうろたえまくって遠巻きに見守っている。まあいきなりこんなモンが昇ってきたら誰だってビビるが。
「おお、おぬし達か。一体奥で何があったというのじゃ!?」
さすがのパミラ婆さんも訳わかんないみたいだな。俺はさっきまでの事を話して聞かせた。
「……ふむ、成る程な。だとすればこの炎は、そう簡単には消えんじゃろうな。しかもこのまま放っておいたら何が起こるか分かったもんじゃない」
巨顔の話じゃ、そのうちこの炎が力を解き放って山を爆発させるらしいけどな。
なんて呑気に言ってる場合じゃないんだが。でもどーすりゃいいんだよコレ。
目の前でごうごう燃えさかる闇の炎。近くで見るとけっこうデカくて、不気味な迫力があった。 水でもぶっかけてみようかとも思ったけど、何かちょっとやそっとじゃ消えなさそーだな。
「パミラよ、あの炎を消す手立てはもちろん何かあるんじゃろうな?」
動揺を隠せない長老が、すがるようにパミラに問う。しかしパミラはあっさりと言い放った。
「そんなものがあるならわしが聞きたいくらいじゃ」
「なんじゃと!おぬしの予言で何か解らんのか?」
「さあなあ…。わしの予言は、当たらんでな」
婆さん、こんな時に逆襲モード。
「…ふん、冗談じゃよ。どれ、ちょっと見てみるとしようかね…」
パミラは目を閉じ、意識を集中し出した。
「……………見えた!!
 ふむ、これは……小汚い部屋が見える。おお、だらしのないカオの男が……。手に何か持っておる。壷…いや、ビンか…。液体が入っているな」

汚い部屋にだらしない男?…よくわかんないけど、大丈夫なのかその予言。
「おや…あれは、アナゴン。アナゴンの姿が見えたぞ…」
…はい?
「わしに見えたのはそれだけじゃ。どうやらその男の持っていたビンの液体に、この黒い炎を消し去る力があるらしいな。アナゴン、おぬしその男に何か心当たりがあるんじゃろう?」
ないです。
……と言いたい所だが。汚い部屋、だらしない男ときて俺関連といえば、あの身内の恥を置いて他には居まい。
「そうであろうな。ならばすぐにその男と会い、ビンを手に入れて来てくれ。わしらが行くよりは旅慣れたおぬしらの方がきっと早いはずじゃ。」
「わしからも頼む!おぬし達の力でわしらを助けてくださらんか!?」
長老にまで懇願された。どうやらまた俺達が何かしなきゃいけない流れになってきたけど…。
「あれ、そのビンってオレ達もしかして既に持ってないかアナゴン?」
そう。キーファが指摘した通り、俺はここに来る前にあの腐れナスビ(ホンダラ)から液体の入ったビンを受け取っていた。奴いわく「すごい聖水」だそうだが。
…とパミラに伝えたら、怒鳴られた。
「何?既にそのビンを持っているじゃと!何故それを早く言わぬ!ならばさっそくそのビンをあの黒い炎に試してみてくれ!」
何で俺が怒られなきゃいけねーんだよ畜生。わざわざ取りに行く手間がなくて良かったじゃねーか。
なんか納得いかないまま、俺はすごい聖水のビンを手に持った。
ビンの中には7色に輝く水が入っている。これってあの入り江の水だよなあ。本当にあの得体の知れない炎を消せるのか?
疑問に思いながらも、その水を闇の炎に振りまいてみせると……。
「おお!」
無数の7色の粒が降り注ぐと、 闇の炎は音もなく消え去った。
「黒い炎が消えたぞっ。おおっ、消えたぞっ!」
長老が歓声をあげる。へえ、本当に消えやがった。実は凄かったんだな、あの入り江の水。
「やれやれ…。結局最後の最後までアナゴン達の世話になってしまったようじゃな。これでもうわしの予言が現実のものとなる事はないじゃろう」
「本当じゃな。本当に大丈夫なんじゃな?」
まだ不安がっている長老を横目で見、パミラ婆さんは満足そうに笑みを浮かべた。
「うむ、もう見えんよ。炎の山が火をふく姿はな」


こうして、一連の騒動は無事に集結した。
でも長い夜はまだ終わらない。俺達は村に戻ると手厚くもてなされ、遅くまで続くほむら祭りを心ゆくまで楽しんだのだった。
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