ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:26「A CHI CHI A CHI」
暑ちい!クソ暑ちいぞコラぁ!!
「くう、さっすが炎の山の中だ。暑いぜ!」
「いやーん。こんなに汗かいちゃったら後で大変なのにー!」
炎の山の奥深く進んでいく。火山なので当然ゲロ暑く、俺達の口からは無意識に「暑い」という言葉が何度もこぼれた。なんだか意識も朦朧としてきて集中力も落ちてきた気がする。でも足を止める事は出来ないんだ。こうしている間にもエンゴウの村人達は次々に松明を火口に落としていってる。火送りの儀は刻一刻と終わりに近付いてるんだから。
幸いだったのは、魔物にほとんど出会わなかった事だ。おそらく偶然だろうが。
こっちの世界に来てからあまり戦闘をしていないので、自分達のレベルに不安はある。マズいなーとは思ったけど、時間もないし後にも退けないしな。

そして俺達は、炎の山の最下部に辿り着いた。俺達が火送りの儀を行った場所のちょうど真下に位置する場所だ。
最下部だけあってその暑さは半端じゃない。なんせマグマの大モトなんだから。ていうかこんな場所によく居られるな俺達。
そこに、妙な物がある。壷だ。馬鹿デカい壷が据えられている。
しかも何だありゃ?壷にはマグマが満たされているようだけど、その上でうねうね蠢きながら浮かんでる黒いモヤだか炎みたいなのは。
…そして。こちらに背を向けて、壷の前に立っている妙な物体X(赤い)は。
「ぬっふふふ。もうすぐ………終わる………。存在もせぬ炎の神を崇め儀式を行うなど、人間というのはくだらぬ生き物だ」
どーしたもんかと俺達が首をかしげていると、突然その物体Xが喋り出した。
そしてその時、上から炎のともった松明が落ちて来て、壷のマグマの中へと消えた。火送りの儀で村人が投げ込んだ松明のようだ。
物体Xはそれを見ながら満足そうに笑う。
「ぬっふふふ。人間達が最後の炎を我に与えし時!かの方に頂いたこの闇の力を解き放ってくれよう。さすれば火山は一気に炎をふき上げ、この地を燃やし尽くす」
なんか一人で説明くさく喋ってんだけど物体X。俺達に言ってるのか?それとも独り言か?ていうかコイツ俺達に気付いてんのか?
「人間達はそれを神の怒りを思い、絶望の闇に沈んでいくのだ」
その前に全員焼け死ぬと思うけど。
「さて、そこな人間よ。我のジャマをしようというのであろう」
何だよ。気付いてんじゃねえかよ……って、
顔ォ!?
振り向いたソイツのみてくれに一瞬凍り付く俺達。だってそいつ全身が顔なんだもん。なんか、いかついモアイ像(素でも十分いかついが)を赤く塗ったやつが浮遊してるみたいだ。我ながらまんまな表現だな。
「愚かなり…。灼熱の炎で身を焦がされる事を望むとは。肉も骨も魂も焼き尽くしてやろうぞ!」
うわっとと。観察なんてしてる場合じゃない。いかついモアイ…もとい炎の巨人が襲い掛かってきた。…ていうかコイツそんな名前なんかい。
でも「巨人」っていうのは変だよな。だいたい顔しかねーだろテメエ!「巨顔」にしとけ「巨顔」に。
……だから、言ってる場合じゃないんだってば。
「うわっ、むちゃくちゃ暑苦しそうなのが出て来たわね」
倒せば少しは涼しくなるかもな。
俺達は武器を構え、ずいと迫る巨顔を迎え撃つ。レベルに不安がある今の状態でこんなデカい奴に勝てるかどうか解んねーけど…。仕方ない。戦るしか!


で、あっさり勝った。青い石版を手に入れた。
勝因は、回復重視で慎重に戦った事。マリベルが唱える誘眠の呪文ラリホーが巨顔によく効いた事。そして相手が意外に弱かった事だ。ちょい拍子抜け。
「ぬはあっ!わ…我がこのような者に打ち負かされるとはあっ」
黙れ見かけ倒し。
「ぐぬぬ…しかし!この闇の炎は我が死しても消えはせぬうっ!」
何?!
「いましばし待てば闇の炎は必ずやその力を解き放ち………ぬがあっ!!」
……じゃあお前、別に居なくてもよかったんじゃん…。
断末魔とともに巨顔は息絶えた。同時に壷も消え去る。しかし、壷の上に浮かんでいた黒いモヤ…。闇の炎は消える事なく、そのまま上昇していったのだ。
「何だ、あの黒い炎は!?上のほうに昇っていったぞ!」
「何よ何よ。やっと魔物を倒したのにこれで終わりじゃないの!?」

巨顔の話が本当なら、このままじゃ山は火吹いちまうみたいだけどな。
とりあえずパミラの元に戻らなければ。俺達は大急ぎで、元来た道を駆けていった。
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