ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:22「さあ次の扉をノックしよう」
グランエスタード城に戻った俺達。キーファが一緒だったので中には入れてもらえたものの、まだ会議は続いているらしい。一体長々と何を話し合ってんだか。俺達はもうその問題の島に行って帰って来たっていうのによ。
しかし何やら面白い動きがあったようだ。何でも会議に呼ばれたというガケじいが、会議の最中に怒って玉座の間を飛び出したっていうじゃないか。城の兵士の話によると、ガケじいは門を出てはいないのでまだ城内にいるという事だ。
「あのじいさんが怒るなんて、よっぽどの事だぞ!一体何があったんだ?」

気になったので探し回ってみるとガケじいは城内の奥、鉄格子の前で何やら見張りの兵士と言い争っていた。
おー、何だ何だ。
「おお、お前さん達、ちょうどええ所に来た!わしはこの先にいる友人に会いたいんだが、ガンコな兵士がトビラを開けてくれんのじゃ。お前さん達からもこのガンコ兵士に言ってくれんかの?」
この先って、あんた幽閉されてる友達がいるのかよ。
…まあいいや細かい事は。キーファが頼み込むと兵士はしぶしぶ鉄格子を開けた。と同時にガケじいは、その奥へと走り去ってしまった。

ガケじいに続いて俺達もその奥へ。俺は地下牢を想像していたんだが、違っていた。どうやら城の囲む池に通じているらしい水路とそこに浮かぶイカダ。その傍らには知らないじじいが一人、先程現れたガケじいと何やら話している。…というか、罵りあっている。
「おーっ!この老いぼれが。まだしつこく生きとったか!」
「やかましいわ!誰が老いぼれじゃい!この死に損ないめが!」
老いぼれと死に損ないってあんた方、大差ねえじゃねーか。
後から来た俺達には気付かず、二人は話を続ける。
「ふおっふおっふおっ!その調子だとまだ当分くたばる気はないようじゃな!」
「…して、何の用じゃ。騒がしい事ならわしはもう簡便じゃぞ」
「おお、そうじゃった!肝心な事を忘れとったわい。実はな…」
ここから死に損ない…ガケじいの声が小さくなった。何を言っているのか聞こえない。
それを聞いていた老いぼれ…謎のじじいが驚きの声をあげる。
「な…なんじゃと!ウ…ウソじゃ!そんな話、信用できんぞい!」
「ええい!ウソかまことかは、わしにアレを返せばすぐにはっきりする事じゃ!さあ返すんじゃ!今すぐアレを返さんかい!」
アレ…?また代名詞かよ。何の事だか分かりゃしねえ。
おい、じいさん!
「お…おお、お前さん達。なんじゃ、ついて来たんか。
 いや、実はこの年寄りはわしの古いケンカ仲間でな。城に来たついでにこうして顔を見に来たと。そ…それだけの事じゃよ」

ウソこけ死に損ないが。どーみてもそんな様子じゃねえだろ!馬鹿にしてんのか。
「へえ〜、二人は知り合いだったんだな。ところでじいさんさあ、今アレ、アレって言ってたけど、アレって何の事?」
ストレートなキーファの切り返し。そういえばこいつ、この謎のじじいの事知ってたのかなあ。
「…う〜む、やはり聞かれてしもうたか、やむをえんのう」
丸聞こえだったわ!
「では、先にわしからお前さん達に一つ訪ねさせてくれ。この度世界に新しい島が現れた事について、お前さん達何か知っておるのではないか?」
知ってるも何も。俺達が色々やったからあの島が現れたんだろう。たぶん。
それに至ったいきさつを、キーファがガケじいに話して聞かせた。遺跡の扉を開けた後、その中の神殿で見つけた石版を台座にはめて、知らない世界に飛ばされた事。魔物に苦しめられていたその土地を救って戻ってきたら、その島が現れた事。
「のう…今のをちゃんと聞いていたな?」
「うむ、しかと聞いたぞ」
ガケじいの問いかけに、俺達のやりとりを黙って見て居た謎のじじいが頷く。ガケじいはいつになく真剣な眼差しで俺達にこう言った。
「なあ、お前さん達。今からわしが言う事をよく聞くんじゃぞ。お前さん達の話が本当ならこの城のどこかに、お前さん達が必要とする物が眠っておる。わしの言っていたアレというのはそれの事だ。わしも今までさんざん探したのだが……。もはやあるとすれば、このイカダを使った先しか考えられん。そこでだ…」
てことはあんた、ここに行き着くまでに城ん中漁りまくってたんかい。…って人の事言えねえけど。
じゃなくて。イカダを使って「アレ」を取ってこればガケじい達は俺達の話を信じて、ついでにソレもくれるらしい。何だかよく分からないけど、ソレ取ってこればガケじいの言わんとしている事がハッキリするんだろ?そうと決まればさっさとレッツゴーだ。
「なるほどのう。いつかはこんな日が来るような気がしてたわい。さあ、このイカダでよければ使うがよい」
謎じじいがイカダへ促す。このじじいはどうやら船番だったらしい。なんでただの船番が鉄格子の向こうにいるのか知らないが。…ていうかこの船番、ここでぼーっとイカダ見張ってるだけで金貰ってんのか?税金の無駄遣いとはまさにこの事だな。


イカダに乗って、俺達は城を囲む堀を回るように進む。普段見ていない角度から城を眺めるのはなんだか新鮮だった。生まれた時からここに住んでいるキーファも同じような思いなんだろう。これからさらに、グランエスタード城の未知に踏み込もうとしているのだ。なんだかワクワクしてくるな。
このイカダでしか来れないであろう裏庭に横付けして上がり込み、城の背面、リーサがいつも居るバルコニーの下にある扉から城の内部に侵入した。やがて地下室に辿り着き、隠し部屋を発見し、宝箱の前に辿り着く。その宝箱の中身は……なんと赤い石版だったのだ。

やいじじい、こりゃどーいう事だ!
「わっはっは!やはりその石版を取って来たか!わしの思ったとおりじゃわい!その石版はな、わしがお前さん達くらいの頃に見つけたものでな。ワケあって先代の国王…つまりキーファ王子のじいさんに取り上げられた物なんじゃよ」
あんたが俺達くらいの頃って、半世紀以上昔の話なんじゃねえのか。そして何やらかした。
「まあその話は今はよいわい。ともあれ約束通りその石版はお前さん達にくれてやろう。さっきの話が本当なら、その石版でまた新しい島を出現させる事が出来よう!」
俺が投げかけた疑問をさらっとかわしてガケじいは熱く拳を握る。
「これはカケじゃ!お前さんがその石版でまた新しい島を世界に出現させたなら……。もはやお前さん達の冒険を止める事は誰にも出来んようになるだろう!城の事なら心配はいらんぞ。わしが話をつけとくよってな」
あんたで大丈夫なのか?この変わり者の偏屈が。
さあ、心して行くがよいぞ!
聞け。


「そっか、この石版は昔じいさんが見つけたものだったのか。よし、行こうぜアナゴン!じいさんの期待に答えるためにがんばろうな!!」
…なんか前々から思ってたんだけどキーファ。お前のその目、ガケじいのそれとよく似てるよなあ。なんつうか、情熱がギラついてるっていうか…。
ガケじいの熱弁にすっかりその気になっているのはキーファだけじゃない。よりによってマリベルにも影響してしまっていた。
「さあ行くのよアナゴン!次の場所でもちゃんとあたしを守り抜くのよ!」
うわあ行く気マンマンってやつ?ったく2人ともすっかり感化されちまいやがって…。
まあ、俺一人ぶちぶち言ってても仕方ない。目の前に新しい道が開けたんだ。ここはいっちょ行っておくのが男ってやつなのかもな。
謎の神殿の赤い台座の間。今までに集まった3つの赤い石版は、ひとつの台座にピタリとおさまった。前回同様一枚の地図が出来上がる。そして…

びょい〜〜〜〜〜ん

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