ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:20「兄弟船は親父の形見」
ガケじいん家に行ってみたら、外でキーファが犬と戯れていた。
あはは!やっぱり来たな、アナゴン。そろそろだろうと思ってたよ」
ムガー!! こいつに行動読まれてたかと思うとなんかすげームカつくー!
「お前ももうだいたいの話は聞いてるだろう。新しい島と、調査団の事だ。その事でめずらしく、ここのじいさんまでが城に呼ばれたんだぜ」
へえー。そいつは珍しいや。じゃあ、会議が終わらないとじいさんとは会えないわけか。
なのにだっ!オレ達はカヤの外ってわけ。調査団にも入れてもらえない……」
そりゃそうだろーな。島の調査なんていう慎重な仕事に王子を連れていく事なんか普通しないだろ。お前みたいな危なっかしい奴ならなおさらだろうぜ。
「納得いかないだろう?もちろんオレもだ」
聞けよ。めっちゃ納得してるよ俺。
「そんな訳で、ついにアレを使う時がやってきたとオレは思っている」
アレ?
「じゃあ一足先にフィッシュベルに行ってるから、お前も後で来てくれよ!それじゃな!」
おいこら、サワヤカに去っていくんじゃない。だいたいアレって何なのよアレって。代名詞で言うなよ分かんねーじゃんかよ!
…というオレの心の声が通じたのか、キーファは振り向いてこう言った。
「分かってるとは思うけど、フィッシュベルの海辺の洞窟で待っているからなっ」
最初からそう言やいーんだよっ!ったく。


フィッシュベルの西の海岸沿い…俺ん家のすぐ隣の岩場には洞窟がある。キーファがさっき言ってた場所はここの事だ。中には壷やタルなどが並べられている倉庫のようだが、もう一つ、俺とキーファしか知らない秘密があるのだ。
奴に言われた通り洞窟に行ってみると、そこにはキーファ、そして何故かマリベルがいた。
「なあ、どうしてここにマリベルがいるわけ?」
こっちが聞きたいわ!こいつにここの事教えた覚えはねーぞ俺は。
「フフン!このあたしにはあなた達のやる事くらい全てお見通しってことよ」
一人で勝ち誇るマリベル。はいはいそーですか。
「…………。まっいいか!
出たキーファの十八番。てゆーかよくねーよ!
「アナゴン、じゃあ始めようぜ。分かってるとは思うけど、二人でそこの石のフタを開けるぞ」
「待ちなさいよ!あたしも手伝うわよ!」
俺とキーファとマリベルは、地面の一角を塞いでいる重い石のフタを動かした。そこには、地下に続く階段がある。
「……たく。こんな事をして階段を隠していたわけ?
 まあ、いいわ。はやく降りましょ」


「こっちだこっちだ」
「何よ!待ちなさいよ」
一番先にそれに駆け寄ったキーファが俺達を手招きした。マリベルも続く。
洞窟の奥には入り江があり、一隻のボロっちい小舟が停めてあった。
「ど、どうしたのよ、この船!」
驚くマリベル。キーファは心底嬉しそうに俺に言った。
「ジャーン!どうだ?凄いだろう?ついに修理が終わったんだよ!お前にも時々手伝ってもらったよな。何年かかったっけ?2年…3年……」
あー、手伝わされたよなあ。嫌々。
まあいいや。とにかく乗り込むぞ!」
よくねーよ!ていうか2回目ぇ!!
…という俺のツッコミは相変わらず奴の耳には入らない。意気揚々とキーファは船に乗り込んでいった。
「こ、これってもしかして、ずっと昔うちで使ってた船…。相当ボロくなったんで廃船にしたってうちのパパは言ってたのに…」
あ、悪い。キーファの奴がパクったんだよ。廃物利用って事で許せ。
呆然とするマリベルの横を通り過ぎて、俺も船に乗り込んだ。
「よーし、それじゃあ出発!目指すは新大陸だあーー!
キーファの盛り上がりは最高潮だ。慌ててマリベルも船に乗り込む。
「酷い!このあたしを置いて行く気?それに出現したのは大陸じゃなくて島って話よ」
「あ、そうだったな。とにかく出発ーーーーっっ!!
………。もう何も言うまい。
はしゃぎまくるキーファ(18歳)、呆れ顔のマリベル、そして頭を押さえる俺を乗せて、小舟は穏やかな海を走りだすのだった。


小舟に揺られながら、俺達は新しい島を探して水平線に目をこらした。
えーっと、確か話によると、北のほうに現れたんだよな。
…あ、あれだ。本当に島がある!ていうかマジでエスタード島のすぐ近くじゃねえか。これが今の今まで発見されなかったってのは、やっぱどう考えても変だな。という事はこの島は、昔からあったんじゃなくて最近現れたものだと思ったほうが自然だって事か。
しっかし、この島…。どこかで見た事あるぞ?
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