遺跡に向かおうとした俺達を、2人の城の兵士が呼び止めた。
「お、王子!こちらにいらっしゃったんですか!随分探しましたよ!!」
「王様がお呼びなんです。どうか我々と一緒に来て下さい!」
「親父が?どうせさっきの続きだろ?オレは行かないよ!」
冷たく言い放ったキーファ。しかし兵士達はひるまない。
「お願いです王子!今日の王様はとても御機嫌が悪いらしくて…」
ああ、それってオレのせいかもな。さっき遊んじゃったし。
「そうなんです!王子!!王子をお城にお連れしないと我々はクビになっちゃうんです!」
「王子…。私には年老いた母が…」
「私の所には先日子供が生まれたばかりで…」
「今クビになってしまうと大変なんです〜!!」
ついに泣き落としはじめやがったこいつら。さすがにキーファもこれには折れざるを得なかったらしい。後で行くと約束し、キーファは城に。俺は家に戻った。
ああ、やっと眠れる。なんて長い一日だったんだ今日は…………。
「おいアナゴン!起きろよ!アナゴンってば!!」
……。お前はよお、こういう事するか普通?こんな夜中に人ん家の寝室に忍び込むなよ驚いたじゃねえか!つーか人様の安眠を妨害すんじゃねえー!
しぶしぶ起き上がった俺の不機嫌そうな表情をうけて、キーファは申し訳無さそうに言った。
「おう、やっと起きたか。ごめんなアナゴン、こんな時間になっちゃって。」
できれば明日にしてほしかったよ。
「あれからみっちり親父に説教されたあげく、部屋に閉じ込められちゃってさ。いやー、まいったまいった、はっはっは!」
そのまま閉じ込められてりゃ良かったのに。
「まあいいや」
よくねーよ。
「夜が明けないうちに出かけちまおうぜアナゴン!!」
…………やれやれ。
遺跡に到着した俺たちは、賢者の像の前に立った。
「さあ始めるぞ!アナゴン、心の準備はいいか?」
あー。もう好きにしてくれ。
「この遺跡には絶対に何かある!!それはずっと感じてた。たとえこの先にどんな苦難が待ち受けていてもオレは必ず乗り越える!!お前も一緒だ。アナゴン、とことんオレにつきあってくれるよな?」
ああーもう好きにしてくれーーーっ!!!
「じいさんが言ったように、本当に心の輝きで道が開けるなら…。オレたちにその資格があるならば…。どうかオレたちを受け入れてくれ!!オレたちに新たな道を開いてくれ!!」
俺達は賢者の像に向かって、一心に祈りを捧げた。
その時だ。像の杖が赤い光を放ちはじめた。驚く俺とキーファ。
「な、なんだっ!?一体何が起こったんだ!?」
光ったと思ったら、今度は像がひとりでに動き出したのだ。…マジ?
ゴゴゴゴ…
そのまま低い音をたてて像は後ろを向く。ちょうど開かずの扉と向き合う形になった。俺達が固唾を飲んで見守っているとやがて、
バシューーーーーーーーッ!!
杖の先から一直線に放たれる赤い光。そして、扉が開いた。
すげえ。たまげた。本当に開きやがった!
「凄い!凄いぞ!!どうやっても開かなかったトビラはこんな仕掛けになっていたんだ!」
興奮最高潮。水を得た魚状態のキーファが扉に向かって駆け出した。もう誰にも奴を止められまい。
まあ、気持ちは分かる。実を言うと俺もドキドキしてんのよ。まさか本当にこういう事になっちまうとはな。
祈って扉が開いたって事は、俺達は遺跡を造った存在とやらに「選ばれし」者だって事なんだろ…?
「アナゴン!オレ達ついにやったんだよな!!く〜っ!!この奥に何があるのか楽しみだぜ!! さあ行こうアナゴン!新しい冒険の始まりだ!!」
わかった、わかったよ。こうなったらもう行くとこまで行ってやらあ!
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