ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:7「走れ正直者」
何の役にも立たなかったホットストーンをこっそりホンダラに返すと、キーファに会いに城に向かった。城に続く橋を渡ろうとした時、そこを守る兵士が心配そうに俺に言った。
「ついさっき、キーファ王子が肩を落としてお城のほうへ歩いていかれました。本当に王子は大丈夫なのでしょうか」
うん。ダメかもな!
どうやら本当に万策尽きたって感じだなキーファの奴。こりゃあ俺の偉業を耳にしたら飛び上がるぞ。

「アナゴンか。その顔じゃ、お前のほうもダメだったみたいだな」
キーファは俺の顔を見るなり開口一番そう言った。
あれー、俺ってそんなに浮かない顔してた?でもお前のその最強に沈みきったツラには適わないだろーよ。
「オレさ…あれから考えられる限りのものを試したんだぜ。でも全然ダメ!古文書にあった太陽の輝きっていったい何なんだろうなあ。…ん?あれ??お前、古文書はどうしちゃったんだよ!?」
落ち着いて聞けよー。さっきな、読めるって奴に預けてきたんだ。ガケッ淵のじいさんなんだけどさ。
俺のその言葉を聞いたキーファの顔は、眩しすぎてもう直視できないくらいにパアーッと明るくなった。分りやすい奴だな。
「そんな面白そうな事なんで早く言わないんだよ。行ってみようぜ!何か分かったかも!!」
だから落ち着けって言っただろ。ったく感情の起伏の激しい奴め。
まあそんなカンジでキーファと一緒に行動する事になった俺だった。

しかし俺がキーファを連れて早速訪れたのは王様の所だった。
「キーファさま、少しは王の気持ちも御考え下さい。どれほど王子のことで胸を痛めておられるか…。そして王の痛みは私の痛み。はっきり申し上げて指輪を持ち出された時はショックで死にかけましたぞ!」
「うるさい年寄りはほっといて行こうぜアナゴン!」
「お…王子!何か王様にご用ですか?王様はとてもピリピリしておいでです!気をつけてくださいね!」
なんか切実な説教をはじめる大臣、ストレートに酷いキーファ、うろたえる兵士に目もくれず俺は玉座に歩み寄る。
やっほー、王様。
「んんっ?キ、キーファ!?そこにおるのはキーファかっ!?
 よ、よくもぬけぬけとわしの前に顔が出せたものだなっ!!こっちへ来いキーファ!!やはりお前とはキッチリ話し合っておかねばならぬっ!!

王様はものすごい形相でキーファに近付く。いいぞー王様ー、がんばれー。
「う、うわっ!やべっ!!」
それを見たキーファはあわてて俺をひっつかみ、玉座の間から逃げ出した。
「バカ!アナゴン。なんで親父のとこなんかに行くんだよ!!このことはオレ達二人だけの秘密だろ!?さあ、もう行こうぜ!」
えー、普段いつも振り回してくれてる御礼に、王様との話し合いの機会を提供してやろうと思ったんだけど。余計な世話だった?やっぱり親子の会話って大事だと思うんだよねー。
そして俺は再びキーファをつれて王様の前まで行った。
「おのれ!懲りずにまた来おったか!」
王様はゼエゼエ息を切らせながらキーファをつかまえようとする。またもや俺はキーファに引っ張られていった。
「アナゴン!!お前楽しんでるだろ!?悪い奴だな!!
 これ以上親父を怒らすといい事ないぞ!頼むから、もう行こうぜ!!」

はっはっは、面白れえー。


ひとしきり楽しんだ俺はやっとキーファと共にガケじいの所にやって来た。ちょうど解読が終わった所らしい。せかすキーファをなだめながらガケじいの話を聞いた所、あの古文書に描かれていた光は太陽とは関係がないらしいという事が分かったそうだ。なんでも、「遺跡を作った存在に、選ばれた者の心の輝きと熱意を認められる」という事が扉を開く条件なんだそうだ。ちなみに古代文字で、
”選ばれし者よ。トビラを守る賢者の前に立ち、強く祈るがよい。大いなる意志が心清き熱き思いを受け入れた時、そなたの進むべき道が必ずや示されるであろう”
と書かれているらしい。
それを聞いたキーファはもう興奮が押さえられないってカンジで、あらぬ方向を見ながら拳を握りしめた。表情が恍惚としている。あーあ。
「そうか!オレみたいな選ばれし正直者がトビラよ開けと強く念じればいいってわけだな!」
自分でゆーな。
「ほっほっほ。そなたのその気持ちのいいほどの厚かましさは貴重かもしれん。ひょっとしたら、その思い込みが奇跡を呼び起こすかもしれんな」
ガケじいの何げに酷い言葉をうけても嬉しそうなキーファ。ほんと、今こいつにはあの遺跡の事しか見えてねえや。

俺とキーファはガケじいに礼を言うと、さっそく遺跡へと急ぐのだった。
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