ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:6「あっち行ってこっち行っておっこちて」
結果。何も起こりませんでした。以上。
ガックリと肩を落としたキーファは古文書を何故か俺に預け、自分は城に戻ってまた他の可能性を探してみると言い残して去っていった。
さあて、今度こそもう帰って寝よう。俺は古文書を手に帰路についた。

そうだ。家に帰る前に、よろず屋の主人にこの本見てもらうか。掘り出し物探してたみたいだし、こういうのにも詳しいかもしれない。
…なんでわざわざそんな事をするのかというと、なんか俺も気になってきちまったからだ。確かにキーファの言う通り、この本に描かれた賢者とあの遺跡の像はよく似ている。というか、ほぼ間違い無くそれを記したものだと思う。だったらそれが結局何なのか、それともやはり何でもないのか白黒つけたい。じゃないとどうもスッキリしない気分だ。
というわけでよろず屋へ。主人に見せてみたが、こういうものの価値は分からないと言われた。その代わり、グランエスタードのガケっ淵に住む変なじいさんがそういうのに詳しいという情報をもらった。
なんだよ、またグランエスタードかよ。
とたんに面倒になる。やっぱもう寝ちまおう。後はキーファの奴が勝手に盛り上がっててくれるさ。


そして、気がついたら俺はグランエスタードの城下町にいた。…ったく俺もつくづく人がいいよな。えーっと、じいさんだったな、じいさん。
その前にちょっと城によってみたら、キーファの挙動が不審だと皆が口を揃えていた。沈んでたかと思うといきなり嬉しそうに叫びながら走り出したり、何の前触れもなく噴水にとびこんだりしたらしい。今は弁当まで持って外出してるという。なんか日に日にエスカレートしてるなアイツのいっちゃってる情熱は。王様にとっちゃ悩みのタネでしかないだろうけど。もうアイツどっかに閉じ込めておくのが一番なんじゃねえの?
そんなキーファからの伝言を、とある兵士から受け取った。「しばらく別行動だ。オレもがんばる。アナゴンも色々試してみてくれ」だと。ああ、その通りに行動しちまってる自分がイヤだ。

街外れ。ホンダラの住む借家に入ってみた。奴はきったない部屋のベットで眠りこけている。と、奴のポケットから何かが転がり落ちた。さっきバニーを口説く時に使っていた暖かい石「ホットストーン」とかいうやつだ。どうでもいいけど安直な名前だよなあ。
へえ、触ってみると本当にわずかに温かい。もしかして、万に一つ、こいつをあの像に使ってみたら何か起こったりして。よしもらった。

借家を出た。そこの裏にある階段を降りて地下道を抜けると、グランエスタードのガケっ淵に出る事ができる。そこには一軒の家があり、頑固で偏屈と評判のじじいが犬と一緒に住んでいるのだ。よろず屋の主人の話によるとそいつが物知りらしいというのだが…。
そのガケっ淵に住む変なじいさん、略してガケじいは俺の顔を見るなりこう言った。
「なんじゃ、お前さんは?人の家に勝手に入って来て何様のつもりじゃ?」
アナゴン様だ文句あるか。
「わしは忙しいんじゃ。とっとと出ていってくれ!」
それがそうもいかねえんだよなじじいよ。この本なんだけどさあ…。
「お前さんは物売りかい?わしが古い本ならなんでも買うと思ったら大間違……」
本の表紙を見たガケじいの表情が変わった。
「………分かった、買おう。500ゴールドでどうじゃ?」
売ったァ!
「…と言いたい所じゃが今は持ち合わせがない。残念じゃのう」
ならゆーなよ!期待させやがって。
「ときにお前さん、この本をどこで手に入れたね?」
キーファから預かったんだけど。ああそういえばそれ俺のじゃなかったわ。思わず売る所だったよハハハ。
「ほう…あの王子からか」
ガケじいは興味深そうに古文書を開いて読みはじめた。そしてこれを見たキーファが賢者の像に指輪を捧げた話をしたら、ガケじいはどことなくイキイキし出した感じで俺にこう言った。
「ふん!あの王子ボンクラと聞いておったが、ボンクラは城の学者達かも知れんの。よしわかった。この古文書はわしが預かろう。嫌とは言わせんぞ。もともとそのつもりでここに来たんじゃろ」
ああ、そういえば。
「話はついたな。わしはこれの解読にかかるから、しばらくしたら戻って来るとええじゃろ」


へへっ。思い立ったらイノシシみたいに一直線なキーファとは違って、俺のやることって確実だよなあ。これで古文書に記されている事がハッキリするじゃねえか。
なんて事を思いながら、もう何度目かもわからない家路につく。足取りもやけに軽い。
気付いていたんだろうか、それとも気付きたくなかったんだろうか。ここらへんで俺ももう完璧にハマっていたんだという事に。だってほら、その証拠に俺今遺跡に来てるし。

さっきホンダラからパクったホットストーンを試してみたくなったのだった。そんな事のためにフィッシュベルを素通りしちまうとは…、不覚。
ダメもとで賢者の杖の上に置いてみたが、やはり何も起こらない。うーんやっぱな、帰ろう。
…あ、像に紙切れが挟まっているのを見つけた。キーファからの書き置きだ。
「アナゴンへ。調子はどうだ?オレもあれから色々試したが、どうもダメらしい。お前のほうの話も聞きたいから、城の俺の部屋に来てくれるか。待ってるぜ!」

…………またグランエスタード行くのかよ俺!
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