ドラクエ7冒険記 <さくさくDQ劇場

FILE:3「もう噂は聞きましたか」
「この国には困った事が2つある。街外れに住むホンダラと、それからお城のキーファ王子じゃ」
…バアさんよ、それは俺に対するあてつけか?!そいつら2人とも俺の関係者じゃねーか!
街の人達の話を聞いて回っていると大抵はこの2人の話題だ。ったく、他に話す事ないのかよ。
キーファの事は前に説明した通りだ。今話に出たホンダラってのは親父の弟、つまり俺の叔父だ。こいつがまたドゥーしようもないおっさんで、真面目に働かずに毎日ブラブラ呑んで遊んで過ごしている奴だ。と、これだけなら俺と大差ないように感じるかもしれなが、違う。先程あがった街の人の話題だけで
・呑み屋のツケを払わない
・子供の菓子を横取りする
・家賃の滞納
・借金
・人のカミさんの風呂を覗く(未遂)
…などととにかく迷惑なんだ。特に覗きなんかもう犯罪じゃねえか。何で街の人間達はこんな奴さっさと追い出してやらないのか不思議でしょうがない。ってあのオッサン、追い出されたら追い出されたで今度は俺ん家に転がりこんで来る気がするが。それだけは勘弁してほしい所だな。
とにかく、このホンダラが本当に困ったおっさんだという事を分かってもらえただろう。こいつが親戚だというせいで、ここで生きていくのに肩身の狭い思いをする事もしばしばだ。苦情が俺に来るんだもんなあ。
でも、出来のいい兄貴をもつと弟はああなっちまうもんなのかな。と、俺は親父とホンダラの顔を同時に思い浮かべた。まあもし俺にパーフェクトな兄がいたとしても俺はあそこまで堕ちないだろうが。


ひととおり街をうろうろした後、俺はまるで自分の家のよーに勝手知ったるグランエスタード城に入っていった。門番や使用人達とも顔見知りなので、皆何でもないように俺を迎えてくれる。
適当に挨拶しながら、玉座の間へ通じる階段を上がろうとした。すると突然俺を呼び出した本人、グランエスタードの国王バーンズ・グランが息を切らせながら駆け降りてきた。
「キーファ!キーファ王子はまだ見つからんのか!?」
目の前に俺がいるのにも気が付かず、一人で大声でがなりたてる。
「むむむむっ!あの大バカモノめ。今度という今度は許さんぞ!」
「お、王さま!ここは一つ、私に免じて……」

そのまま追い掛けて来た大臣と二人で盛り上がりはじめた。
あのー、王様?
「ん、アナゴン!いつからそこにおったのじゃ?待ちかねたぞ」
さっきからだよ。
心のツッコミを無視して王様は俺の腕をわしっとつかみ、玉座の前までひっぱって行くとそこに座らせる。なんだなんだ。
王様はやけに真剣に、俺の目をジっと見てこう言い放った。
ズバリ聞くぞ!アナゴンよ。このわしに何か隠しておろう!
ブンブン!
思わず条件反射で首を横に振る俺。
「とぼけてもムダじゃ!近頃のキーファはまるで何かに取りつかれたように落ち着かぬ様子であったが、今日はとうとうあの大バカモノは大事な妃の形見の指輪を持ち出しおった!」
あー、何やってんだよキーファ…。
「キーファに言ってくれぬか!少しは王子らしくしてくれとな」
あい。分かりました。必ず言い聞かせますから。

いやあ、バカ息子の親やってんのも楽じゃなさそうだ。しかも国王なんて気苦労の絶えない仕事してんだもんな。ちったあ考えてやりゃあいいのにキーファの奴もよ。
しかし何でまた指輪なんて持ち出したんだろうなあ…。ちょっと心当たりないんだけど俺。
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